自然分娩

自然分娩は麻酔を使わずに産道を通して自然に出産する方法で、「病気」とは捉えないため公的健康保険が適用されません。入院して自然分娩で出産する場合の平均的な費用は、50万円程度といわれています。

帝王切開

帝王切開は、お腹にメスをいれて子宮を切って胎児を取り出して出産させる方法です。産道を通しての出産が何らかの理由でできない場合に行われます。

この手術は医療行為にあたるため、公的健康保険が適用になり、手術料、投薬料、診察料、入院料は3割負担になります。手術費用は診療報酬点数が定められているため、どの病院でも約20～24万円程度（自己負担はその3割の7～8万円）ですが、医療保険の適用外の費用もありますので、最終的には60万円前後かかります。

無痛分娩

無痛分娩は麻酔を使用して痛みを軽減して行う出産方法で、こちらも健康保険が適用されません。費用は保険診療ではないため医療機関によってかなり差がありますが、自然分娩の費用プラス5～15万円という場合が多いようです。具体的に追加されるのは麻酔や子宮口を広げる処置、陣痛促進剤などの医療行為です。

無痛分娩の方法

無痛分娩で分娩時の痛みを和らげる方法は2種類あります。硬膜外鎮痛と静脈点滴による鎮痛の2種類です。

硬膜外鎮痛は強い鎮痛効果があるにもかかわらず、お母さんの意識や呼吸への影響が少なく、赤ちゃんへの鎮痛剤の影響もほとんどありません。多くの国で無痛分娩の第一選択肢とされている方法です。必要に応じて静脈点滴による鎮痛を行うことになっている場合が多いですが、硬膜外鎮痛が第一選択肢となっているかどうかを確認しましょう。

麻酔科医が麻酔を行うかどうか

硬膜外鎮痛は処置がやや難しいので、麻酔科医もしくは一定の技術を持った麻酔科標榜医、硬膜外麻酔下分娩医療安全講習を受けた医師がいるかどうかを確認することも大切です。

万が一のときの対応

万が一に備えて、妊産婦さんだけでなく、赤ちゃんの急変にも対応可能かどうかを確認しておきましょう。時間帯や曜日によって対応の可否が異なることもあるため、産院やクリニックで対応しきれない場合に妊産婦さんや赤ちゃんを搬送する病院がどこか、さらに産院からその病院までの搬送にかかる時間も確認しておくと安心です。