長期戦を覚悟する

不妊治療は、すぐに結果が出るものではありません。1年以上かかることも珍しくなく、治療期間は人それぞれです。また、治療過程において様々な困難やストレスに直面することもあります。焦らず、粘り強く取り組む心構えが必要です。

パートナーとの協力が不可欠

不妊治療は夫婦二人で共に歩む道のりです。お互いの気持ちを理解し、支え合うことが何よりも大切です。治療方針や今後のライフプランなどについて十分に話し合い、共通認識を持つことがポイントといえます。

精神的・身体的・経済的な負担を理解する

治療中はホルモンバランスの変化や不妊という現実への不安など、様々なストレスを感じることがあります。また、通院や投薬などによる身体的な負担、高額な治療費など、経済的な負担も無視できません。これらの負担を乗り越えるための心の準備が必要です。

情報収集と相談

治療に関する不安や疑問は一人で抱え込まず、医師に相談することが重要です。また、同じような経験をした方の体験談を聞くことも、心の準備につながります。

タイミング法や排卵誘発法、人工授精、体外受精、漢方によるアプローチなど、不妊治療には様々な選択肢があります。医師とよく相談し、自分たちにとって最善な治療方法を選びましょう。そして、希望を持ち、一歩ずつ進んでいくことが大切です。

通院のしやすさと診療時間

• 自宅や職場からのアクセスが良い
• 朝・夜間、週末、祝日の診療にも対応している
• 月に数回の通院が必要なため、長期的に通い続けられるかを考慮する

最新の治療設備と技術の有無

• 体外受精などの治療に対応できる設備がある
• 最新の治療方法や技術を導入している
• 医療安全対策が徹底されている（本人確認、院内感染対策など）

サポート体制

• 男性不妊外来がある
• 心理カウンセリングなどのメンタルケアにも対応している
• 治療費や助成金に関する相談ができる

これらのポイントを考慮し、複数の産婦人科を比較検討することをおすすめします。また、実際に足を運んで雰囲気を確認したり、カウンセリングを受けたりすることで、より自分に合った産婦人科を見つけられるでしょう。

初診時に準備したいこと

基礎体温表の記録

少なくとも3ヵ月分の基礎体温表を用意しましょう。毎朝起床時、同じ時間に測定することがコツです。体温の変化から排卵の有無や周期を確認できます。

既往歴や家族歴の整理

過去の病気や手術歴をまとめておきます。また、家族の持病や遺伝性疾患の有無も確認します。現在服用中の薬があれば、その情報も必要です。

現在の生活習慣の見直し

生活習慣の現状についても把握しておきたいポイントです。例えば、食事面なら栄養バランスやカフェインの摂取量などが挙げられます。運動は頻度や強度、睡眠は時間や質、仕事や人間関係などによるストレス、喫煙・飲酒などです。

質問事項のリストアップ

治療の選択肢や費用など、不安に思っていることや疑問点を書き出します。パートナーと相談し、二人で質問リストを作成するのもよいでしょう。

これらの準備をしておくことで、初診時に正確な情報を医師に伝えることができます。また、自分自身の状況を整理することで、治療に対する心の準備にもつながります。不安なことがあれば、遠慮なく医師に相談しましょう。

通院スケジュールを把握する

不妊治療の種類や段階によって、通院頻度は大きく異なります。タイミング法では月1～2回程度、人工授精であれば月2～3回程度、体外受精なら1周期で5～10回程度と、治療が進むにつれて通院の頻度が増えていきます。治療開始前に担当医としっかりと話し合い、おおよその通院スケジュールを把握しておきましょう。治療期間やスケジュール感を知っておくことで、仕事との調整がしやすくなり、治療計画を立てるうえで役立ちます。

職場の理解を得て安心して働くために

治療の必要性について、上司や人事担当者に正直に説明することが大切です。通院スケジュールや業務への影響などを説明のうえ、どのような対応をしてほしいのか、具体的に伝える必要があります。具体的な要望を伝えることで、職場の方も協力できることや代替案の提案などがしやすくなります。また、プライバシーにかかわることなので、情報を共有する範囲を事前に決めておくことも重要です。職場によっては不妊治療に関する理解がまだ十分でない場合もあるため、企業が提供している制度や支援策なども併せて確認しておくことをおすすめします。

治療中のストレス管理

ストレスを減らすためにできること

治療と仕事の両立は、ストレスフルな状況になることも少なくありません。この状況を乗り越えるには、ストレスを減らす方法を見つけることがポイントです。例えば、深呼吸、ヨガ、瞑想など、自分に合ったリラックス方法を取り入れてみましょう。趣味の時間を持ち、好きなことをして気分転換するのもおすすめです。また、不妊治療の経験者や同じような悩みを抱えている方と話すことで、気持ちが楽になることもあります。SNSや患者会などを活用してみましょう。

企業のサポートも充実している！

最近は一人ひとりの努力だけでなく、企業側の取り組みも進んでいます。厚生労働省が企業に対して不妊治療と仕事の両立を支援するためのセミナーを開催したり、支援企業を認定する制度を設けたりしています。

不妊治療は決して一人で行うものではありません。周りの人に相談したり、企業の支援制度を活用したりしながら、自分にとって無理のないペースで治療を進めていきましょう。