初診では何を相談すべきか？

初診では、医師による詳細な問診や基本的な検査が行われ、不妊の原因や適切な治療法を探るための重要な情報を収集します。主な相談事項として以下が挙げられます。

• 妊活期間と頻度
• 妊娠・出産歴
• 既往歴や現在の健康状態
• 家族の病歴（不妊や遺伝性疾患など）
• 生活習慣（喫煙、飲酒、運動など）
• 職業環境（ストレスや有害物質への暴露など）

産婦人科医が重視するポイント

• 女性の年齢と卵巣機能
• 排卵の有無と規則性
• 子宮や卵管の状態
• 精子の質と量
• カップルの全体的な健康状態

初診で収集した情報をもとに、それぞれに合った治療計画を立てていきます。例えば、基礎体温測定の指導や血液検査、超音波検査などを提案することがあります。また、精液検査の必要性などに関する説明も行います。初診時には、全体的な治療の流れやおおよその費用感、保険適用の有無なども確認できます。不明点や疑問点があれば遠慮なく医師に相談し、信頼関係を築くことが大切です。

どこから始める？不妊検査の流れ

不妊検査は問診から始まり、段階的に必要な検査を進めていきます。

問診：生活習慣や既往歴の確認

まず医師が以下のような項目について詳しく聞き取りを行います。

• 生活習慣（喫煙、飲酒、運動習慣など）
• 既往歴や現在の健康状態
• 妊活期間や性生活の頻度
• ストレス状況

基本的な身体検査

問診の後、一般的な身体測定や検査を行います。

• 身長、体重測定（BMIの算出）
• 血圧測定
• 体温測定

初期段階で行われる一般的な検査項目

問診と基本的な身体検査の結果を踏まえ、基礎体温測定や血液検査、超音波検査、精液検査などの検査が行われます。

これらの検査結果を総合的に判断し、さらに詳しい検査が必要かどうかを判断します。患者様一人ひとりの状態や希望などに応じて、段階的に検査を進めていくことで、不妊の原因を探っていきます。丁寧な説明を通して、検査や治療に臨むことができます。

基礎体温測定の意義と方法

基礎体温測定は、自宅で簡単に行える検査です。毎朝決まった時間に体温を測り、グラフ化することで、排卵の有無や黄体機能を確認できます。朝、目覚めたら体を動かさず、横になったままの状態で検温することがポイントです。

血液検査でわかること

血液検査では、主に以下のホルモン値を調べます。

• FSH（卵胞刺激ホルモン）
• LH（黄体形成ホルモン）
• エストラジオール
• プロゲステロン
• プロラクチン
• 甲状腺ホルモン

これらの値を確認することで、排卵障害や卵巣機能低下などの問題を発見できます。

超音波検査の重要性

超音波検査は、子宮や卵巣の状態を観察するための検査です。卵胞の発育状況や子宮内膜の厚さなどを確認し、排卵のタイミングを予測するのに役立ちます。また、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの異常も発見できます。

子宮卵管造影検査：必要性と実施タイミング

子宮卵管造影検査は、卵管の通過性を確認する検査です。X線を使用して、子宮や卵管の形状や通過性を調べます。この検査は、月経終了後から排卵前までの時期に行います。

これらの検査を段階的に進めることで不妊の原因を特定し、適切な治療方針を立てることができます。検査結果に基づいて、排卵誘発剤の使用や人工授精、体外受精などの治療法を選択します。

精液検査の基本

精液検査は、男性の基本的な不妊検査です。精液量や精子濃度、精子運動率、高速運動率、精子の正常形態率などをチェックします。また、精子のDNA損傷率を調べるDFI検査も重要です。DNAが損傷した精子は、受精しても流産のリスクが高くなります。これらの検査結果から、自然妊娠の可能性や不妊治療の必要性を判断します。

ホルモン検査の必要性

男性不妊の診断において、ホルモン検査は重要な役割を果たします。テストステロンやFSH（卵胞刺激ホルモン）、LH（黄体形成ホルモン）などのホルモン値を測定し、精子形成が正常に行われているか、ホルモンバランスの乱れが原因で不妊になっているのかを調べることができます。

泌尿器科での検査

ホルモン検査に加え、泌尿器科での検査も必要となる場合があります。超音波検査を用いて、精巣や精巣上体、精管といった生殖器の構造や大きさを確認します。精子の生成過程や輸送経路に異常がないか、精巣に腫瘍などの病変がないかを調べます。

男性の不妊検査は身体的な負担が少なく、早期に受けることで適切な治療へとつながります。もし、なかなか妊娠できないという場合は、夫婦で一緒に検査を受け、お互いを理解し合いながら不妊治療に取り組むことが大切です。

夫婦で検査を受けるメリット

夫婦で不妊検査を受けることは、二人で未来に向かって一歩を踏み出す大切な機会です。まず、同時に検査を受けることで、同じ目線で治療に向き合えます。早期に原因が特定できれば、より自分たちに合った治療プランを立てられます。さらに、一緒に検査を受けることで通院の手間を減らし、それに伴う経済的・時間的な負担の軽減にもつながります。

不妊治療は二人で協力し、共に乗り越える道のりです。検査をきっかけに二人の絆を深め、未来への希望をつなぐ大切な時間となるでしょう。

つらい治療を乗り越えるために！心のケアの大切さ

赤ちゃんを望む気持ちとは裏腹に、不妊治療は心身に大きな負担をかけることがあります。実際に、治療中に心のバランスを崩してしまう方も多くいらっしゃいます。心のケアは、不妊治療を成功させるための重要な鍵です。

心のケアのススメ

心のケアを通して、つらいときでも前向きに治療を続けられるよう、一人ひとりの支えになります。また、治療中のストレスは日常生活にも影響を及ぼす場合があります。そこで心のケアでストレスを軽減し、穏やかな気持ちで毎日を送れるようにサポートするのです。さらに、治療を進める中で様々な選択を迫られます。心の状態が安定していると、自分にとって最善の決断をすることができるでしょう。

具体的なサポート方法

• カウンセリングの活用：専門のカウンセラーに相談し、治療に伴うストレスや不安を軽減
• パートナーとのコミュニケーション：お互いの気持ちを共有し、理解を深める
• セルフケア：瞑想やヨガなどのリラックス法を取り入れ、ストレス解消を図る
• サポートグループへの参加：同じような経験を持つ方々との交流を通して孤独感の軽減につなげる

心のケアは特別なことではありません。治療を受けるすべての人に役立つものです。もし、つらい気持ちを抱えているなら、医師やカウンセラーに相談してみましょう。