1．初診・カウンセリング

初診・カウンセリングは、不妊治療の第一歩となります。不妊治療に関する不安や疑問点を医師・看護師と共有し、治療に対する理解を深める機会となります。問診や診察を通して、既往歴、不妊治療歴、排卵の有無・周期、健康状態、配偶者との関係性などを確認します。初診には、できるだけ配偶者同伴で訪れることが望ましいです。治療計画を策定するにあたり、両者が揃っていると理解をより深めやすくなります。

2．ホルモン値の検査

ホルモン値の検査では、主に月経周期の2～4日目に脳下垂体から分泌されるホルモン（FSH・LH・プロラクチン）を測定します。卵胞の発育や排卵に関係するホルモンで、値から排卵障害や卵胞発育障害などの有無を推察します。
また、月経周期の黄体期（高温期）中期には、子宮内膜の着床環境に関係するエストロゲン（E2）とプロゲステロン（P4）を検査し、黄体機能が正常かどうかを調べます。

3．子宮卵管造影検査

子宮内から卵管へ造影剤を注入し、子宮の形や卵管の疎通状態などを調べる検査です。検査時間は数分程度で、基本的に結果もその場でわかります。

しかし、注意点もあります。当日の体調不良や発熱、甲状腺疾患、ヨード造影剤に対するアレルギーがあるなどの場合は検査が行えません。また、2ヶ月以内に胃腸のバリウム検査などを行った方も受けられません。
さらに、子宮の入り口が硬いまたは極端に狭い場合、検査のチューブが入らず中止になることもあります。このような事情を踏まえ、適切な準備と理解が必要となります。

4．精液検査

男性の不妊検査では精液検査を行い、精子の数や動き、形状などを調べます。精液は、医療機関で提供される専用容器に採取します。不妊治療は女性だけではなく、男性の協力も必要な共同作業です。そのため、男性自身の健康状態を把握し、適切な治療に取り組むことが大切です。

5．排卵日予測と性交渉アドバイス

排卵日の予測は、不妊治療において非常に重要なステップです。基礎体温や超音波検査、黄体形成ホルモン（LH）検査などの内容を参考にしながら、最も妊娠しやすいタイミングを予測していきます。

排卵日予測の流れは以下のとおりです。

• 超音波検査で卵胞の成長をチェックする
• 排卵時期が近づいたら、子宮頸管粘液の状態を確認する
• 尿中の黄体形成ホルモン（LH）検査で、卵胞の大きさや子宮頸管粘液の状態などを総合的に判断し、排卵日を予測する

排卵日の予測が立った段階で、性交渉に関する具体的なアドバイスやタイミングを指導します。

以上が産婦人科検査の流れです。ただし、あくまでも一般的な流れであり、適切な治療法は一人ひとり異なります。不妊治療を成功に導くための治療を進めるには、信頼できる医師に相談することをおすすめします。