男性不妊とは？

まず不妊治療とは、子どもを持ちたいと願う夫婦が自然に妊娠できない場合に適用される医療措置全般です。避妊をせずに定期的な性交を行っているが、1年経過しても妊娠が成立しない状態を不妊症と診断します。男性不妊は、不妊の原因が男性側に存在するものを指します。

不妊は女性側に多いと思われがちですが、実は不妊事例の約半数は男性側が占めており、男性の健康状態や生活習慣、年齢などが関わってきます。これらの問題に対処するには、適切な治療法を選択することが重要です。体外受精も男性不妊の治療法として知られています。

男性不妊の原因と種類

男性不妊の原因には、主に「造精機能障害」「精路通過障害」「性機能障害」があります。造精機能障害は精子を生成する機能が低下している状態で、ホルモンバランスの乱れや不規則な生活習慣などに起因すると考えられています。また、精路通過障害は精液内に精子が出てこない状態で、先天性の異常や手術の後遺症などで生じることがあります。そして、性機能障害は性行為がうまくいかない勃起不全、射精ができない射精障害を指します。これらの原因に関する理解を深めることで、適切な治療法を選べるようになります。

高い妊娠率が期待できる体外受精

体外受精は男性不妊の治療法の一つで、精子の運動性や形態が不良な場合に効果的とされます。まず、女性の卵巣をホルモン薬で刺激し、成熟した卵子を採取します。男性からは運動性の高い精子を採取します。

次に、採取した卵子と精子を体外で受精させます。受精が確認できたら、受精卵を子宮内に戻して着床を促します。これが体外受精のプロセスとなります。
体外受精は他の不妊治療と比較して、妊娠率が高い傾向です。そのため、精子の質や数量などに問題がある男性不妊への効果も期待されているのです。

男性不妊の治療に体外受精が適用されるケース

卵子と精子を直接受精させる体外受精は、以下のような男性不妊のケースで検討されています。

• 精子の数が少ない、または形状・動きに異常がある
• 精液中に精子がまったく見られない無精子症
• ホルモン異常による精子の生成障害がある

ただし、体外受精は1回の治療費用が高額で、すべてのカップルに適応するわけではありません。経済状況なども考慮したうえで、医師と十分に話し合って選択することが重要です。

体外受精の成功率は状況に応じて変動する！

体外受精の成功率は他の不妊治療と比べて高い傾向にあるものの、年齢や精子の質、医療技術、クリニックの治療方針などによって大きく変動します。また、日々の生活習慣やストレス管理などが影響するケースも少なくありません。適度な運動や栄養バランスの良い食事、十分な睡眠など、規則正しい生活を意識することが大切です。また、過剰なストレスはホルモンバランスに悪影響を及ぼす懸念があるため、適度なリラクゼーションを取り入れることもポイントとなります。

妊娠を望むなら早期の検査・治療が重要

不妊は女性の問題と思われがちですが、約半数は男性側にも原因が存在します。男性不妊と診断されるまでには精液検査やホルモン検査など、一連の検査が必要であり、早期治療が欠かせません。また、男性側に原因がある場合、女性が受ける検査や治療内容も変わってきます。不妊治療は時間と費用を要することが多いです。仮に検査を受けるまでのタイムラグが生まれると、加齢に伴って妊娠率が下がる懸念があります。夫婦二人で取り組む治療だからこそ、女性の検査と同じタイミングで男性も検査を行うことをおすすめします。