生殖器系の異常

生殖器系に異常があると男性不妊につながりやすくなります。このうち精巣（睾丸）と陰嚢は、自分自身で異常の有無をチェックできる場合があります。

・精巣の状態

もともと精巣が小さく柔らかい、昔より小さくなった・柔らかくなったなどの変化を感じるといった場合、精子が十分に作られていないおそれがあります。また、精巣が陰嚢内の上部や鼠径部にあると、精巣が温められて造精機能に影響を及ぼしていることも考えられます。

一般的に精子は、高温の環境下では形成されづらい傾向にあります。他の臓器と異なり精巣・陰嚢が外に出ているのは、正常に精子を作り出すのに体温より低い温度を保つ必要があるためです。

・陰嚢の状態

陰嚢の大きさが左右で異なる、表面が凸凹している、ミミズ腫れが見られるなどの場合、精索静脈瘤が疑われます。精索静脈瘤は精巣から心臓に戻る静脈の流れが逆流し、精巣周辺に留まることで発症します。血管が精巣の周辺に溜まると温度が高くなり、造精機能が低下してしまいます。

病歴・手術歴

鼠径ヘルニアの手術経験があると、男性不妊になりやすいといわれています。鼠径管は精子の通り道であり、手術後に精子が通過しづらくなるためと考えられます。

また、おたふく風邪などで高熱が出たことがある方も注意が必要です。高熱によって睾丸が腫れたり、睾丸付近に痛みを感じたりした経験がある場合、睾丸の働きが鈍くなっているかもしれません。

その他、抗がん剤や放射線治療も睾丸や精細胞に影響を及ぼす要因です。精子数が減少したり、治療後に無精子症になったりするケースも少なくありません。また、治療終了から年月が経過していても、精子がうまく作れないこともあります。

生活習慣

日常的な生活スタイルも精子に何らかの影響を与えているかもしれません。例えば、サウナや長風呂は精巣付近を温める行為であり、機能や働きが弱まってしまいます。また、膝の上でのパソコン作業も気を付けたいポイントです。パソコンの底面は熱を持つため、作業をしているうちに股間周辺が温められてしまうのです。

普段から締めつけ感のある下着やズボンなどを着用していると、熱がこもるだけでなく、圧迫によって血流が滞りやすくなります。そのため、サウナでは冷たいタオルで精巣を冷やす、普段から風通しのよい下着を着用するなどの対策を心がけましょう。

喫煙・アルコール・肥満・ストレスなどにもご注意ください。