漢方療法に用いられる漢方薬の剤形には、いくつかタイプがあります。漢方薬のタイプをご紹介いたしますので、ご覧ください。

数種類の生薬を組み合わせて、水に浸して煮出した漢方薬です。「挽いた豆からコーヒーをつくる方法」と説明すれば、想像しやすいでしょうか。医師が患者の症状や体質、生活習慣などを把握して処方します。昔ながらの製法で細かい調整をするため、生薬の力を引き出しやすい方法と言えます。

煎じ薬を濃縮して乾燥させ、乳糖やでんぷんを加えて顆粒にした漢方薬です。お湯や水に溶かしてすぐに飲める、インスタントコーヒーのようなイメージです。薬局で販売できる一般用と、医師の診断で処方される医療用があります。持ち運びに優れ、手軽に服用できます。漢方独特のにおいも少ないです。

生薬をそのまま粉末にした漢方薬が散剤です。その散剤に、はちみつや米粉などを加えて丸く固めた漢方薬が丸剤です。散剤は他の剤形と比べて効き目が早く、丸剤は穏やかに持続します。

漢方では、心と体を一つとして捉えています。疲れやすく抵抗力が低下している虚証タイプ、体力があり丈夫な実証タイプ、その中間のタイプに分けて、症状と合わせて総合的に判断して処方されます。